都会の風景を切り取る「窓」のような空間がぽっかり。初めて写真を見た人は、あまりの異形に「何だコレは!?」と思うに違いない。

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米国のLit Motors(リットモータース)が仕掛ける新たな提案は“箱スクーター”である。サンフランシスコを拠点とする同社は、カプセル型の車体とジャイロモーターによって“倒れない”電動バイク「C1」を完成させたことでも知られる米国のベンチャー企業。今度は新たに「箱型」の電動スクーターを投入するために活動を開始した。

現在、開発資金を調達するため、クラウドファンディング(ネットによる資金調達)を利用してキャンペーンを展開中である。


「Kubo」(クボ)と名付けられたそのユニークな電動バイクのことを、同社では「2輪のピックアップ・トラック」と呼んでいる。その注目すべき特徴は、荷物を積むための四角いオープンスペースが車体の真ん中に設けられていることだ。

同社によると、22インチ角(約56センチ)のオープンスペースには、荷物とライダーを含めて300ポンド(約136キロ)の総重量を載せられるという。ということは、大柄なライダーが乗っても、だいたい50キロ程度の荷物は載せられる計算。これはスクーターの常識を覆す積載性である。
スペースの床は車軸レベルから5センチ程度の高さに設定し、重い荷物を載せても低重心で安定させることができる設計とした。いろいろな形状の荷物を固定するためのネットを使うことを想定して、荷掛けフックを装備するなど実用性を追求している。

動力は車輪のハブに搭載された3キロワットの電動モーターで、積載する荷物の重さにもよるが時速45マイル(約72キロ)の最高速度と1回の充電で50マイル(80キロ)の航続距離を実現するとしている。他のフィーチャーとしては、施錠可能なコンパートメントやシート下のスペース、デジタル速度計とオドメーター、バッテリー残量計、LEDヘッドライトなどが装備される。

「クボ」の写真やプロモーションビデオを見る限り、フロントに片持ち式サスペンション、リヤにはカンチレバー式モノショックを備え、バッテリーはやや厚みのあるフロアボード内に収納されているようだ。そして、車体センター部分に設けられた大きな空間は、従来のバイクのようにエンジンやミッションを持たない電動ならではのメリットである。気になるのは操舵系。
屋根に直接ハンドルがマウントされているようで、前輪まわりと機械的に連結しているようには見えない。それでも、動画では女性ライダーが乗って、ちゃんとバンクしながら曲がっているのだが、果たしてセルフステアだけで曲がっているのだろうか? 否そこは「C1」を開発したメーカー、何かあっと言わせる電子操舵的なトリックが搭載されているに違いない。

リットモータースでは現在、「クボ」の製品化のためにクラウドファンディングを運営する「KickStarter」のホームページを通じて、30万ドル(約3000万円)の資金提供を求めているそうだ。

“2輪のトラック”という革新的なコンセプト。バイク本来の長所である機動力と、従来は弱点であった運搬力を併せ持った新たな電動モビリティとして、継続的な交通社会にとっても大いに貢献できるはず。ぜひ実用化させていただきたいものだ。